60歳からの転職|工場のおすすめ職種と採用されるコツ【2026】

60歳からの転職の要点を図解したアイキャッチ画像




60歳からの転職でも、工場業界には「むしろ採用されやすい職種」がいくつもあります。少子高齢化と人手不足を背景に、軽作業・検品・警備・清掃・設備管理といった分野では、60代の応募者を積極的に歓迎する求人が珍しくありません。「定年後だから不利」と思い込みやすい年代ですが、体力を消耗しすぎないポジションを正しく選べば、月収18〜25万円・年金との両立込みで生活設計が成り立つ働き方が十分に可能です。この記事では工場勤務15年で60代の同僚を何人も見送ってきた本田健一が、採用されやすい職種・年収相場・年金との関係・未経験OK求人の探し方まで現場目線で整理します。

結論を先に:60歳からの工場転職は「軽作業/検品/警備/清掃/設備管理」の5職種が狙い目。年収は240〜340万円が中心レンジで、在職老齢年金の支給停止ライン(月収+年金で50万円超)を意識しつつ働けば年金カットも回避できます。未経験OK求人は未経験OK求人特集ミドル・シニア活躍特集から探すのが最短ルートです。

目次

60歳からの転職市場の現状|人手不足で「歓迎される側」になりつつある

厚生労働省の一般職業紹介状況(2025年データ)では、製造・運搬・清掃などの分野で有効求人倍率が1.6〜2.0倍と高止まりしています。背景にあるのは、団塊世代の大量退職と若手の製造業離れ、そして外国人材だけでは埋めきれない現場ニーズです。結果として、60代を対象にした正社員・契約社員・パート求人が年々増えています。

とくに変化が大きいのは「年齢条件」の書かれ方です。10年前は「45歳まで」と書く求人が多数派でしたが、最近は「年齢不問」「シニア活躍中」「定年後再雇用実績多数」といった文言が前面に出るようになりました。これは法改正(高年齢者雇用安定法の70歳までの就業機会確保努力義務)と人手不足の両方が押した変化です。

「60歳の壁」が薄くなった3つの要因

  • 定年延長と再雇用制度の浸透:65歳定年・70歳までの再雇用を制度化する企業が増え、60代を「現役」として扱う土壌ができた
  • 業務分業化の進行:体力を要する工程と軽作業工程が明確に分かれ、シニア向けの工程に絞った募集が組みやすくなった
  • 外国人材の補完だけでは足りない:日本語での品質判断や安全管理など「経験で見抜く」役割が求められ、60代のベテランが重宝される

60代が採用されやすい工場の職種5選

「60歳からでも採用されやすい」と現場目線で断言できる職種を5つに絞って紹介します。いずれも私が在籍した工場や、転職した元同僚から実話ベースで集めた情報です。

職種 体力負荷 月収目安 未経験可否
① 軽作業・組立補助 低〜中 18〜22万円 ○(即日可)
② 検品・検査 19〜24万円
③ 施設警備・工場警備 20〜25万円 ○(研修あり)
④ 工場清掃・環境整備 17〜21万円
⑤ 設備管理・ボイラー監視 22〜28万円 △(資格優遇)

① 軽作業・組立補助

小型部品の組立や箱詰めなど、座って行える工程が中心。私の職場でも65歳のパートさんが「立ち作業より座り作業のほうが楽」と言いながら10年以上勤めていました。視力と手先の器用さがあれば年齢はほぼ関係ないのがこの職種の強みです。

② 検品・検査

製品の傷・汚れ・寸法を目視や簡易測定器でチェックする仕事。「経験で見抜く力」が評価されるため、ものづくり経験のある60代は重宝されます。前職が異業種でも「丁寧さ」「集中力」をアピールできれば採用率は高めです。

③ 施設警備・工場警備

夜勤帯の見回り・受付・入退場管理が中心で、体力的にはむしろ若い人より楽な現場が多い職種。警備員新任教育(20時間)を受ければ未経験から始められ、月収20万円台と60代の選択肢としては手堅い水準です。

④ 工場清掃・環境整備

休憩室・更衣室・廊下などの清掃と、工場機械周りの整備を担当。シフトの自由度が高く、週3〜5日で組みやすいのが特徴です。年金と組み合わせて働きたい人に最適です。

⑤ 設備管理・ボイラー監視

第二種ボイラー技士・電気工事士などの資格があれば、60代でも月収25万円以上の求人が出てきます。定年後再雇用で同じ職場に残るより、別工場へ転職したほうが年収が上がるケースも多いのがこの分野の特徴です。

60代で工場転職する3つのメリット

① 年齢を理由に落とされにくい

事務職・営業職と比べて、工場の現場職は「年齢」より「健康状態と勤怠の安定」を重視する傾向があります。面接で「シフト通り出られるか」「健康診断で問題ないか」をクリアできれば、60代でも内定が出るスピードは想像以上に速いです。

② 年金+給料の二刀流が成立しやすい

工場のパート・契約社員は月収18〜22万円のレンジが多く、在職老齢年金の支給停止ライン(月収+年金で50万円超)にぶつかりにくいのがポイントです。これにより「働いた分だけ手取りが増える」設計が組みやすく、生活防衛とやりがいの両立が可能です。

③ ブランク・異業種からの転身が通りやすい

定型作業中心の工程は「3日教われば回せる」ものが多く、長いブランクや異業種からの参入でもハンデになりにくい構造です。私の職場でも、60歳で公務員を定年退職した方が3か月で検査リーダー級まで戦力化していました。

60代で工場転職する時の注意点|体力・シフト・賃金

① 体力面:立ち仕事・夜勤は「フル稼働」を避ける

20代と同じ働き方を続けるのは現実的ではありません。立ちっぱなしの工程・夜勤連続シフトは膝・腰・睡眠の質に直撃します。私が見てきた60代の同僚で長く続いた人は、ほぼ全員「日勤中心・座り工程・週4〜5日」のいずれかを死守していました。応募時点で勤務形態を妥協しないのが続けるコツです。

② シフト:「2交替・3交替」は健康診断結果次第

夜勤を含む2交替・3交替は手当が厚い反面、60代以降は循環器系・睡眠系の負担が一気に増えます。直近の健康診断で血圧・心電図にC・D判定がある場合は、迷わず日勤専従の求人に絞り込みましょう。

③ 賃金:時給ベースで「最低賃金+200円以上」を基準に

シニア向け求人の中には、最低賃金ギリギリで募集している案件もあります。製造系の妥当ラインは時給1,200〜1,500円で、これを下回る場合は別求人と比較する余地が大きいです。地域差はありますが、首都圏なら1,400円、地方でも1,150円が目安です。

60代の年収相場と年金との関係|在職老齢年金で損しない働き方

2026年時点で、工場系の60代転職者の年収レンジは以下が中心です。

雇用形態 年収レンジ 月収換算 賞与・手当
正社員(経験者) 320〜420万円 22〜28万円 年2回・手当充実
契約社員 260〜340万円 20〜26万円 年1回または無
パート・アルバイト 180〜240万円 14〜19万円 原則なし

在職老齢年金の「50万円ライン」を意識する

2024年の制度改正以降、「月収(標準報酬月額+直近1年の賞与1/12)+老齢厚生年金月額」の合計が50万円を超えると、超えた分の半額が年金カットされる仕組みです。月収22万円・年金月額15万円なら合計37万円で全く影響なし、月収28万円・年金月額20万円なら合計48万円でギリギリセーフです。50万円ラインを意識しつつ働けば、年金カットを避けながら手取りを最大化できます

「年金は繰下げ・給料で生活」も選択肢

65歳支給開始の年金を70歳まで繰下げると受給額が42%増になります。60代を工場の給料だけで生活し、70歳から増額年金で暮らす設計は、健康なシニアにとって有効な選択肢です。

60歳からの転職活動の進め方|3ステップで決める

STEP1:体力・健康・年金の「自分の現在地」を整理

最初にやるべきは求人検索ではなく、「直近の健康診断結果」「年金見込額(ねんきんネット)」「希望勤務形態」の3点を紙に書き出すことです。これを面接で言語化できる人とできない人で、内定率は明確に分かれます。

STEP2:求人サイト・派遣会社・ハローワークを併用

60代向けの工場求人は3チャネルの併用が最強です。① ものづくり系専門の求人サイト(量・質ともに豊富)② シニア専門の派遣会社(フォロー手厚い)③ ハローワーク(地元密着・正社員多め)。1か所だけだと求人の偏りが大きいので、必ず2か所以上に登録しましょう。

STEP3:書類は「健康・勤怠・経験」の順で書く

60代の職務経歴書は冗長になりがちです。採用担当が見たいのは「健康に問題ないか」「フルタイムで通えるか」「即戦力になる経験はあるか」の3点。この順番で1〜2行ずつ要点を書き、過去30年分の経歴を羅列するのは避けましょう。

未経験OKの工場求人の見つけ方|検索の絞り込みテクニック

未経験から60代で工場に応募する場合、求人検索画面では以下のフィルター組み合わせが効きます。

  • 「年齢不問」または「シニア活躍中」:最低限のフィルター
  • 「未経験OK」:研修制度のある会社に絞れる
  • 「日勤のみ」:夜勤を避ける場合は必須
  • 「資格取得支援あり」:フォークリフト・ボイラーなど取得しながら長く働ける
  • 「週3〜4日OK」:年金との両立を狙う場合

ものづくりキャリアナビでは、ミドル・シニア活躍特集未経験OK求人特集で、60代でも応募可能な求人を絞り込んで一覧化しています。住み込みで生活コストごと圧縮したい人は60代から始める住み込み工場求人ガイドも合わせて読むと、住居費を浮かせて手取りを増やす設計が組めます。

経験者から見た60代の転職|本田健一の周辺事例

私が15年勤めた精密機器の工場では、毎年2〜3名の60代が中途入社してきました。印象的だったケースを3つ紹介します。

事例1:元営業マン(62歳)→検品担当

大手メーカーの営業を定年退職した方が、「数字に追われない仕事がしたい」と検品に応募。細かい違いに気付く観察力が営業時代に培われており、3か月で検査リーダーに抜擢。月収23万円+年金13万円で生活設計を立てていました。

事例2:元タクシー運転手(60歳)→施設警備

夜勤の経験を活かして警備会社に転職。「動かない夜勤のほうが楽」と笑っていましたが、月収21万円・賞与なしで安定。3年間ノートラブルで継続しています。

事例3:元自営業(64歳)→ボイラー監視

第二種ボイラー技士を取得してから応募し、月収27万円の好条件で採用。「資格を取ってからの応募」は60代でも給与レンジを引き上げる王道です。

「定年後再雇用」と「他社へ転職」どっちが得か

同じ職場で再雇用される場合、給与は定年前の50〜70%に減額されるのが一般的です。一方、他社に転職して未経験職種に入ると、最初は月収20万円前後と低めでも「フル時給」で評価されるため、最終的な手取りで他社転職のほうが上回るケースも珍しくありません。慣れた職場の安心感を取るか、リセットで手取りを取るか、健康・通勤距離・人間関係を総合判断するのがコツです。

60代女性で工場勤務を検討している方は50代女性の工場転職ガイド、自分の適性が気になる方は工場勤務に向いている人の特徴も参考になります。

まとめ|60歳からの工場転職は「職種選び8割・準備2割」

60歳からの転職は、20代・30代と同じやり方では通用しません。しかし軽作業・検品・警備・清掃・設備管理の5職種に絞り、健康状態・年金見込み・希望勤務形態の3点を整理してから動けば、未経験でも内定は十分に取れます。年金との両立を意識して月収+年金で50万円ラインを超えないよう設計すれば、手取りも最大化できます。

「もう一度現場で働きたい」「定年後の20年を有意義に過ごしたい」と考えているなら、求人探しはシニア活躍特集から始め、住居コストごと整理したい人は住み込み工場60代ガイドを併読してください。動き出すのに遅すぎる年齢は、工場業界には存在しません。

よくある質問(FAQ)

Q1. 60歳から工場に転職するのは現実的ですか?

はい、現実的です。軽作業・検品・警備・清掃・設備管理の5職種は60代の採用実績が豊富で、未経験でも研修制度を使って即日就業できる求人が多数あります。健康状態とシフト適応力を面接でクリアできれば、応募から内定までの平均期間は2〜4週間程度です。

Q2. 60代で工場に転職した場合の年収相場はどれくらいですか?

正社員(経験者)で320〜420万円、契約社員で260〜340万円、パート・アルバイトで180〜240万円が中心レンジです。資格保有者(フォークリフト・ボイラー・電気工事士など)は同じ職種でも月収+2〜4万円のアップが見込めます。

Q3. 年金をもらいながら工場で働くと年金はカットされますか?

月収(標準報酬月額+賞与1/12)と老齢厚生年金月額の合計が50万円を超えると、超えた額の半額が年金カットされます。月収22〜26万円のレンジで働けばカットを避けられるケースが大半です。詳細はねんきんネットで個別試算してください。

Q4. 60代未経験で工場に応募する時、面接で重視されるポイントは?

採用担当が見ているのは「健康状態(直近の健康診断)」「勤怠の安定性(シフト通り出られるか)」「即戦力性(過去経験で活かせる強み)」の3点です。職務経歴を羅列するより、この3点を端的に伝えるほうが内定率が上がります。

Q5. 定年後の再雇用と他社への転職、どちらが得ですか?

同じ職場の再雇用は定年前の50〜70%に減額されるのが一般的で、慣れと安心感を優先するなら有利です。他社転職は最初は低めの月収から始まっても、フル時給で評価されるため最終手取りが上回るケースもあります。健康・通勤距離・人間関係を総合判断するのがコツです。

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この記事を書いた人

工場勤務歴15年。愛知県の自動車部品工場でライン作業・検品・溶接・フォークリフトを経験。20代で住み込み寮生活を3年間送り、カップル寮も経験。班長として後輩指導も担当。35歳で製造業から転身し、現在は工場勤務の経験を活かしてライターとして活動中。

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