段ボール工場は、原紙を貼り合わせて段ボールシートをつくり、箱の形に加工して出荷する工場です。正社員の年収は300〜430万円、派遣・パートの時給は1,150〜1,500円が中心で、EC市場の拡大を背景に求人が安定している業種です。
結論:段ボール工場の仕事は「コルゲータ・製函・検品・出荷」の4工程に分かれます。きつさの中心は重量物の扱いと、繁忙期の物量です。一方で景気や季節で仕事が消えにくく、フォークリフトの資格が素直に評価されるのは、未経験から入る人にとって大きな利点です。
この記事を書いている本田健一は、製造業7社・15年の現場経験者です。段ボール工場の繁忙期に応援で入った経験があり、コルゲータの熱と束の重さをお伝えします。
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製造業にどんな工場があるかを一望したい方は、製造工場の種類10選|仕事内容と年収にまとめています。
段ボール工場とは|製紙工場との違い
混同されやすいのですが、段ボール工場と製紙工場は別の工程を担っています。
- 製紙工場:木材チップや古紙から、段ボールの原紙そのものをつくる。装置産業で交代勤務が中心
- 段ボール工場:製紙工場から届いた原紙を貼り合わせ、箱に加工する。日勤の求人も多い
素材をつくるのが製紙工場、素材を箱にするのが段ボール工場と整理すると分かりやすくなります。原紙づくりの側に関心がある方は、製紙工場の仕事内容もあわせてご覧ください。
また段ボール工場のなかにも、シートまでを専門につくる工場と、箱に加工するところまで一貫して行う工場があります。求人票に「製函」「打ち抜き」とあれば、加工まで行う工場です。
段ボール工場の仕事内容|4工程で見る段ボール製造工程
① コルゲータ(シート製造)
波状に成形した中芯(なかしん)と、表と裏のライナー原紙を糊で貼り合わせ、段ボールシートをつくる工程です。蒸気で加熱しながら貼り合わせるため、機械の周りは高温になります。幅2m前後の巨大な連続機で、段ボール工場の心臓部にあたります。
オペレーターは、原紙のロール交換、糊の管理、シートの寸法と反りの確認を担当します。
② 製函(せいかん)
シートに印刷を入れ、罫線を付け、打ち抜いて箱の形にします。簡単な印刷はこの工程で同時に行われるため、印刷工場に近い作業も含みます。本格的な多色印刷の現場については印刷工場の仕事内容で扱っています。
③ 検品
寸法、罫線のずれ、印刷のかすれ、糊の付き具合を確認します。段ボールは積み上げた状態の強度が求められるため、潰れや反りのチェックが重要です。
④ 結束・出荷
製品を束ねてパレットに積み、出荷します。フォークリフトの仕事内容と資格があると、この工程を任されます。段ボール工場でフォークリフトの需要が高いのは、製品がかさばるためです。
段ボール工場の1日の流れ
- 8:00 朝礼。当日の受注と機械の割り当てを確認する
- 8:15 段取り。原紙ロールのセット、罫線の型替え
- 8:45 生産開始。抜き取りで寸法と印刷を確認する
- 10:15 小休憩。コルゲータ担当は水分補給を欠かさない
- 12:00 昼休憩
- 13:00 品目切り替え。1日に何度も型を替える工場が多い
- 16:30 紙くずの回収と機械の清掃
- 17:00 終業。繁忙期は残業か夜勤の交代が入る
紙くずの発生量が多いのが段ボール工場の特徴です。打ち抜きの端材を回収して再利用に回す作業が、毎日必ず入ります。
段ボール工場の年収・給料相場
- 派遣・パート:時給1,150〜1,500円。検品・結束の募集が多い
- 正社員(未経験入社):年収280〜340万円
- 製函・コルゲータのオペレーター:年収330〜430万円
- 職長・工場管理:年収450〜580万円
コルゲータのオペレーターは、段ボール工場のなかで最も評価される職種です。機械が大きく、止めると生産全体に響くため、任せられる人材が限られます。交代勤務のある工場では、夜勤手当で年収が40〜70万円上乗せされます。
段ボール工場のきついところ
① 重量物
段ボールは1枚なら軽いのですが、束になると一気に重くなります。結束した束は20〜30kgになることも珍しくありません。1日を通して持ち上げる回数が多く、腰への負担は工場系のなかでも大きい部類です。
② コルゲータ周りの熱
蒸気で加熱する機械のため、周辺の温度が高くなります。夏場はとくにこたえるので、空調服の支給がある工場を選びたいところです。
③ 繁忙期の物量
EC市場の拡大で、段ボールの需要は年々増えています。とくに歳末や大型セールの前は、生産量が跳ね上がります。この時期の残業と夜勤は覚悟しておく必要があります。
④ 紙の粉じんと手荒れ
紙を扱う現場のため、細かい粉じんが舞います。また段ボールは水分を吸うので、素手で扱い続けると手が乾燥します。手袋とハンドクリームは必需品です。
⑤ 単調さ
検品と結束は同じ動作の繰り返しです。持ち場をローテーションする工場かどうかで、体感の疲労が変わります。
段ボール工場の働きやすいところ
- 仕事量が安定している:EC需要が支えており、景気の波を受けにくい
- 覚える作業が少ない:検品と結束は初日から作業に入れる
- フォークリフトが素直に評価される:資格手当と配属の幅が広がる
- におい・油汚れが少ない:食品系や金属加工系と比べて作業服が汚れにくい
- 日勤の求人がある:製函中心の工場は日勤のみの募集も多い
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段ボール工場で役立つ資格
- フォークリフト運転技能講習:最優先。段ボール工場では実質必須級
- 玉掛け・クレーン:原紙ロールの吊り上げを行う工場で必要になる
- 危険物取扱者 乙種第4類:インクや溶剤を扱う印刷工程で評価される
- 衛生管理者:職場の安全衛生を担う立場に進む場合に有効
入社後すぐにフォークリフトを取らせてくれる工場は多くあります。費用負担の有無を面接で確認してください。
段ボール工場の繁忙期はいつか
段ボールの需要は、物が動く量とそのまま連動します。応募前に年間の波を知っておくと、入社後のギャップが小さくなります。
- 11〜12月:歳末商戦とギフト需要で1年の最繁忙期。残業と夜勤が最も増える
- 3月:年度末の出荷集中と引っ越し需要
- 大型セール前:ECのセール時期に合わせて生産が跳ね上がる
- 夏の青果シーズン:農産物の出荷用に、特定地域の工場が忙しくなる
- 比較的落ち着く時期:1〜2月、6〜7月
面接では「繁忙期の残業は月何時間くらいですか」と具体的に聞いてください。年間を通して平準化されている工場と、特定の月に集中する工場では、働き方がかなり違います。青果の段ボールを主力にしている工場は、季節の偏りがとくに大きくなります。
段ボール工場が向く人・向かない人
向く人
- 体を動かす仕事が苦にならない
- フォークリフトの資格を活かしたい、または取りたい
- 景気に左右されにくい仕事に就きたい
- においや油汚れの少ない現場で働きたい
- 機械のオペレーターとして技能を積みたい
向かない人
- 腰に不安がある
- 重量物を持ちたくない
- 夏場の暑さが極端に苦手
- 繁忙期の残業を避けたい
未経験から段ボール工場で働く3ステップ
ステップ1:検品・結束から入る
未経験の求人が最も多い工程です。ここで製品と工程の流れを覚えてから、製函やコルゲータへ進む道筋が一般的です。
ステップ2:フォークリフトを取る
段ボール工場でいちばん効くのがフォークリフトです。31時間の講習で取得でき、手当と任される範囲が同時に広がります。
ステップ3:コルゲータを目指す
コルゲータのオペレーターは、この業種で最も評価される職種です。大型機を任される経験は、ほかの装置産業へ移る際にも通用します。
経験者から見た段ボール工場(本田の体験)
私が段ボール工場に応援で入ったのは、年末の繁忙期でした。まず驚いたのが、コルゲータの周りの熱です。蒸気で紙を貼り合わせるので、機械の脇を通るだけで汗が出ました。
そしてこたえたのが、束の重さです。1枚だと拍子抜けするほど軽いのに、結束された束を持ち上げると腰にずしりと来ました。1日の終わりには、腰の疲れがはっきり残りました。持ち方を教わってからは楽になりましたが、最初の数日は素直にきつかったです。
一方で好印象だったのは、現場が乾いていて清潔なことです。食品工場のようなにおいも、金属加工のような油もありません。作業服が汚れにくい現場は、意外と長く続けやすい要素だと感じました。
工場全体の職種を見比べたい方は、工場作業員の仕事内容と職種別の特徴もあわせてご覧ください。
まとめ|段ボール工場は「体力とフォークリフト」で評価が決まる
段ボール工場の段ボール製造工程は、コルゲータ・製函・検品・出荷の4つに分かれます。正社員の年収は300〜430万円、コルゲータのオペレーターになれば430万円以上が見えてきます。
きつさの中心は束の重さとコルゲータ周りの熱、そして繁忙期の物量です。裏を返せば、体を動かすことに抵抗がなくフォークリフトを取る意欲があれば、未経験からでも評価されやすい業種です。EC需要に支えられて仕事量が安定している点も、長く働くうえで見逃せません。
工場・製造業の求人を探すから、通勤圏の求人を確認してみてください。
FAQ|段ボール工場でよくある質問
Q1. 段ボール工場は未経験でも働けますか?
働けます。検品と結束は未経験歓迎の求人が多く、初日から作業に入れます。そこから製函やコルゲータのオペレーターへ進む流れが一般的です。
Q2. 段ボール製造工程はどのような流れですか?
中芯を波状に成形し、表裏のライナー原紙と貼り合わせてシートをつくる「コルゲータ」、シートに印刷と罫線を入れて打ち抜く「製函」、寸法や印刷を確認する「検品」、束ねて出荷する「結束・出荷」の4工程です。
Q3. 段ボール工場はきついですか?
結束した束が20〜30kgになるため、重量物の扱いがきつさの中心です。コルゲータ周辺は蒸気で高温になり、夏場はとくにこたえます。EC需要で繁忙期の物量が増える点も負担になります。
Q4. 段ボール工場と製紙工場は何が違いますか?
製紙工場は木材チップや古紙から段ボールの原紙そのものをつくる工場で、装置産業のため交代勤務が中心です。段ボール工場は届いた原紙を貼り合わせて箱に加工する工場で、日勤の求人も多くあります。
Q5. 段ボール工場の年収はどれくらいですか?
未経験入社の正社員で年収280〜340万円、製函やコルゲータのオペレーターで330〜430万円、職長クラスで450〜580万円が目安です。交代勤務のある工場では夜勤手当で年間40〜70万円が上乗せされます。
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